火災保険のかけ方、間違ってますよ!火災保険を契約内容を決めるときの考え方

2018年8月7日

どのような火災保険をかけるべきか考えましょう

火災保険は自宅だけでなく事業用の建物等にもかけておられる方が多いと思います。火災保険を掛ける際、損害保険会社によって色々保険金額の決め方のルールがあるようですが、ある程度自分で保険金額を決められる保険も多くあります。

 

保険というものは自分がひどい目にあった時とか、お金が必要な時にお金を支払ってくれるサービスであるため、保険の契約を結ぶ際にはどうしてもより補償が厚い保険に魅力を感じてしまいます。

特に火災保険のような事故率の低い保険では、ほんのちょっとの掛け金の上乗せで様々な特約を結ぶことが可能であったりするため、多くの人は過剰に保険をかけてしまいがちです。

もちろん火災などが起きた際には補償が厚いほうがいいに決まっていますが、そのためにどの程度の掛け金を払うのが妥当なのかは普通の人にはなかなか考えるのが難しいですよね。

 

そこで、今回の記事ではそのような場合にどういうふうに考えていけばいいかを述べようと思います。

もちろん、「このような特約はあったほうがいい」とか、「こういう特約はいらない」などという議論ができればそれが一番わかりやすいのですが、保険を掛ける人は状況が千差万別、価値観も十人十色です。そのため、一概に「こういう契約をすべき」という話はできません。
(逆に言うと、テレビなどでよくある「こういう保証は付けるべき」という話は眉唾です。)

しかしこの記事で述べるような考え方をしていけば必ず現状より、より自分に適した保険契約を結ぶことが可能になるでしょう。

 

火災保険を掛けるときの考え方

火災保険の保険の内容で考えるべきはまず、もし火災が起こってしまった場合に、それ以降「どのような生活を送りたいか」です。

1.火災が起こる前より高い生活レベルを望むのか、

2.火災が起こる前と同レベルを望むのか、

3.多少は生活レベルが落ちても良いのか、

4.かなり生活レベルが落ちて良いのか、

概ね上記くらいの選択肢があるかと思います。1とか4を望む方はおそらくほとんどいないので、議論対象から省きます。

 

またもう一つ考えるべきポイントは「貯金」についてです。

A.ある程度貯金があり、火災が起こった際にある程度使っても良いのか、

B.火災が起こった際にもできるだけ使わない(もしくは使えない、貯金がない)のか、

 

それでは具体的に保険の内容を考えていきましょう!

さて、あなたが、上記組み合わせのうちどれを選ぶかによって、保険の内容をどうすべきかは概ね決まってきます。

 

貯金もそれなりにあるし、生活レベルは維持したい場合

たとえば2-Aの場合、保険は新価で新しいものを手に入れられるほど(家財含め)の金額をかけておき、免責金額を上限まで上げておくのが良いでしょう。

生活レベルを落とさないためには時価ではなく新価である必要があります。ちなみに時価とはもののその時の値段で、新価とは同じものの新品の値段です。時価でしか保険をかけていなければ、火災前と同じレベルのものを手に入れることはできないからです。ただし、ある程度貯金を使っても良いということなので新価よりも少し金額を落としても良いかもしれません。また、貯金を多少使っても良いのであれば、免責金額はかなり保険料に効いてきますので、それも検討すべきでしょう。

 

ではもう一パターン。

貯金はない、生活レベルは多少落ちても仕方ない

たとえば3-Bの場合、2-Aのパターンとは逆ですね。新価の80%程度の保険をかけておき、免責金額を少なめに設定するのが良いでしょう。そうすれば保険料もそれほど高くなりませんし、生活レベルも多少は下がるものの、生活に困るというほどのことはないでしょう。

 

貯金をしておいて、もし火事を起こしてしまったら生活レベルの低下はあきらめる

ここまで2パターン見てきましたが、私のおすすめは3-Aです。そうすれば新価の80%程度の保険金額で済むため、保険料も安くなりますし、免責金額も上限まで上げておけばさらに保険料が安くなるからです。ただし、そのためにはある程度まとまった貯金が必要です。火災が起こった際に新価の100%の補償がなされるわけではないので、貯金をはたく必要もあるでしょう。免責金額も高いのでそれにも貯金が必要となります。

しかし、保険というものは加入者全体を合算すると掛け金の大部分は保険金の支払いに充てられますが、決して小さくない残りの部分は保険会社の利益やその他の手数料になります。保険を過剰に掛けるということは、保険金の支払いに充てられる部分以外は保険会社に利益を与えているだけなのです。そのため、できるだけ補償は絞り、できるだけ自分の貯金で賄うことを考えたほうが得なのです。

(もちろん、「自分は普通の人に比べて火災を起こしやすい」なんて人であれば、高めにかけるほうが得になることもあるんですが、それはまた別の記事で。)

そもそもなぜ保険が必要なのか

日本人は保険好きだと言われます。諸外国と比べ、GDP当たりの家計の保険支出は2倍以上あるそうです。
なぜ保険好きなのかというと、遺伝的に「不安感情が強い」という説もあります。
不安感情が強いせいで、様々なリスクが実際の大きさよりも大きく見え、必要以上に保険をかけてしまうそうです。

しかし、「保険会社は営業員や事務員を雇い、テレビCMをバンバン打っても儲けている」ということを考えてください。
つまり、自分に事故(火事)が起こる確率が平均的であれば、
保険をかければかけるほど損をしていることになります。

しかし一方で、万が一事故(火事)を起こしてしまうと、
貧困に転落してしまうほどのダメージを受けることがあります。
なので保険は必要最小限にし、
「事故(火事)が起きても人生に多大な影響を与えない程度のダメージに抑える」ということを念頭に
かけるべきだと思います。

是非、現在かけている火災保険を見直してみてください。
あるFPの方の経験則によると、一般的な家庭でも月に1万円ほどは節約できるそうです。

また、当ブログでは自動車保険についても考えています。
自動車保険は火災保険と違い、「自分に合った保険会社」を選ぶ方法があります。