ペットボトルをコンビニで買うか、スーパーで買うか
人によって、時間の価値は変わる
最近、塾業界の方とお話しさせていただく機会があり、こんな話を耳にしました。
「高校生たちが何でもコンビニで買う。ペットボトルのお茶も。すぐ近くのスーパーで買えば3割引きで買えるのに。」
確かに、スーパーでは高校生の姿はあまり見ません。確かにちょっとカッコ悪い感じがするというのはわかる気がしますが、お小遣いをそれほどたくさんもらっているわけでもないのに、節約しようという気はあまりないようです。コンビニの方がすぐに商品が見つかってすぐに買えるという利点もありそうですが、それらの利点は彼らにとって3割も安い価格以上の価値があるのでしょうか。
ちょっと考えてみましょう。
前提条件
まず前提条件を決めます。
ペットボトルのドリンク1本を買うことを考えます。コンビニでの値段は130円、スーパーでは95円だとします。
現地点からコンビニに行って買ってくるのに必要な時間は3分、スーパーだと6分かかるとしましょう。
一般に、スーパーのほうが敷地や売り場面積が大きいため、購入までに時間がかかるのが普通です。
また、レジに並ぶ時間も長くなることが多いですよね。
高校生にとっての時間の価値
さて、これらの前提条件があり、このことをなんとなくであれ高校生たちが把握しているとすれば、彼らは6-3=3分の時間を節約するために130-95=35円支払ったということになります。これは1時間あたり700円になります。
高校生がアルバイトをすると800円~900円程度の時給でしょう。だとすれば、働いた時に得られる時給の方がコンビニで買うコストよりも高いので、普段の買い物はコンビニで行い、それによって余裕ができた時間だけアルバイトをするのが最も効率的な行動ということになります。
もちろん、アルバイトをするためには時間とは別の様々な精神的なコストも支払いますし、アルバイト先に行くために移動する時間も必要です。そもそも、アルバイトが禁止されている学校かもしれません。また逆に、アルバイトをすることによって得られる給料以外の利益(たとえば社会勉強になるとか、スキルが上がるとか)もあることでしょう。それらを加味すると、なかなか微妙なラインになる気がします。
大人にとっての時間の価値
ところで、大人の場合も考えてみます。
大人の場合、人によって違いはあると思いますが、高校生よりも高い時給で働いている人がほとんどです。
専業主婦だとしてもその家事を時給換算すれば、高校生よりも時給は高いでしょう。
だとすれば、ペットボトルの飲料1本を買うだけであれば(ついでに他に買うものがない限り)、
コンビニで買ったほうが得になると言えます。
時間の価値を考えて行動しよう
結論としては、ペットボトル1本程度であれば時間を節約する方が得で、それ以上に色々なものを買うのであればスーパーに行く方が得ということになりそうです。
逆に見ると、コンビニはなぜスーパーよりもはるかに高い値段でも売れるかという理由がわかります。それは「買い物の時間を節約することができるから」です。
身近な問題でもよくよく考えて行けば、なぜその業態が成功しているかのヒントが得られることがあるという好例ですね。
アルバイトよりももっと価値の大きいもの
(複雑になるので本編では議論しませんでしたが、もう一つ考えるべき点があります。高校生にとっては「勉強する」という時間を使うことが、非常に将来大きなリターンをもたらす投資になるということです。アメリカのある研究によれば、教育に対する投資は、あらゆる投資の中で最もリターンが多いということがわかっています。だとすれば、スーパーに行く時間やら、アルバイトをする時間など非常にもったいない。さっさと帰って勉強すべきでしょう。もちろん、すべての時間を勉強に費やせばすべてうまく行くというわけでもないんですが。 )
ディスカッション
コメント一覧
コンビニはなぜ高いのか?
昔、コンビニが普及し出した頃、某大手コンビニの○○部長さんが、コンビニの値段付けで、テレビのワイドショーで傘の値段とタクシー初乗りの値段の話しをしていた。
未だにYahoo!などの質問で、偉そうに返答してる人も多いが、実はコンビニとはスーパーやデパートなどと違い搬入ルートなども自社運営が多く、デパートやスーパーよりも安く商品の仕入れが出来るのである。
では、なぜコンビニはスーパーやデパートよりも高いのか?
先に述べた傘とタクシー初乗りの話しが、コンビニの商品が高いそもそもの理由である。
※突然雨に降られタクシーで帰宅するか、コンビニで1000円以内の傘を買うのか?
と言った話しだ。
当時、タクシー初乗り450円だった頃、それから家まで帰って1000円を軽く越えるならコンビニで傘を買うでしょう!と言う安易な発想で番組司会者などを唖然とさせた。
転んでも損をしない商売がコンビニの大元の発想なのである。
更には、地域に密着が客層を増やし、夜でも、辺りを明るく照らす華やかさを演出し、更なる客寄せ効果を生み出した。
結論としては、ただ単に、客の足元を見る商売って事なんですね。
確か、ディスカウントを売りにしたコンビニも近頃は目にします。
コンビニなのに、とにかく安いですw
その傘とタクシー初乗りの話しに出た○○部長さん、最後に言った言葉を聴いてから以降、私はコンビニに一切行かなくなりました。
コンビニは貧乏人が来る所じゃない!
高いと思うならウチで買わなくても良いです!
かの北野武も顔を歪めながら苦笑いして呆れてましたが、彼は貧乏とは無縁な人ですからね。
孤高の狩り人さん
コメントありがとうございます。
確かに高いですよね。
でもその利便性の高さがウリで、それをありがたいと思う人がいるわけなので、
上手い商売だなぁと思います。
フランチャイズの仕組みなんかもうまいですよね。