独身なのにマンションを買おうと思っているあなた!ちょっと立ち止まって考えて!
独身の方はマンションを買うべきか否か
先日、テレビでこんなことを特集していました。
「年収の低いシングルたちがマンションを買っている。」
シングルがマンションを買うというのは今に始まった話ではありません。ただ、ここのところ金利が安かったり、結婚が現実的でないなどという事情があるため、シングルでありながらマンションを買うという人が増えており、またシングル向けの分譲マンションもたくさん建設されているようです。
しかも、かなり年収が低く、不安定な仕事をしているにもかかわらずマンションを買っているようです。
シングルがマンションを買う理由
さて、ではなぜ彼らはマンションを買うのでしょうか。彼らが言う理由は下記です。
1.家賃と同程度の支払いで賃貸よりグレードの高い家に住める
2.将来老後に住む場所に困らなくて済む
3.事情が変わってすまなくなっても賃貸に出せばよい
さて、これらの理由は正しいのでしょうか。彼らはマンションを買うことによって幸せを手に入れられるのでしょうか。考えてみます。
大抵の独身の方は、マンションを買うべきでない!
結論から言います。答えは「否」です。多くの方は「買うべきではない」と私は考えます。
多くの「買わないほうが良い理由」は「持ち家と賃貸はどちらが得か」という議論しつくされた話の中に書かれていますので是非検索してみてください。検索が面倒だという方のために、簡単に箇条書きだけしておきます。
・ローンは定額、賃料は年を経るごとに低下する
・所有すればローン以外にもいろいろコストがかかる(税金、管理費、修繕積立金、占有部の修繕費)
このように単純に買ったほうが得という話ではないことが分かります。(経済学的に考えても一般的に得になるわけがない。)
マンションを買ってもいい人と買わないほうがいい人
では、「買わないほうがいいのか」というと
話はそう単純ではありません。買ってもいい人もいると思います。
では、どういう人であれば買ってもよくて、どういう人であれば買わないほうが良いのでしょうか。
それは、買った後の個人家計のバランスシートを見て考えるべきです。
個人の資産管理でも必須の「バランスシート」
たとえば、年収が低いシングルが、買えるギリギリの額のマンションを買ったとしましょう。その時のバランスシートを見ると、資産の欄はほとんど不動産のみです。負債は借入金、資本はほとんどなしです。
このようなバランスシートが健全な状態だと言えるでしょうか。
このような人は経済状況の変化があった時にすぐに債務超過に陥る可能性が高いです。経済状況の変化とは金利の上昇、不動産価格の下落などです。もちろん、金利を長期固定にし、物件を売らなければ、債務が表面化することはありませんが、転勤、結婚、親の介護などの都合で住み続けられなくなった場合、賃貸に回すことになるでしょう。その際、不動産価格が下落しているのであれば家賃も下落している可能性が高く、家賃でローンを返済することすらままならないかもしれません。年収も低いので、給料から返済に回すことも難しいでしょう。ローン返済額は変わらないのにデフレが進行して給料だけが下がるなんて話も考えれらます。
つまり、マンションを買うという行為は非常にリスクの高い投資活動なわけです。
このような行動は経済状況の変化に対応する資産のない低所得の方がとるべき行動ではありません。
もし購入するとしたら、このようなギャンブルに近いような、
「ハイリスクハイリターンの投資をする」という認識で行うべきです。
人生の一発逆転を狙うという意識で購入するのであれば、ありだとは思います。
マンションを買ってもいい人
では、どういう人であれば買ってもいいのでしょうか。
それは、マンション購入を投資活動のひとつとして認識し、あらゆるリスクに対応することを考えた人のみです。もちろん考えるだけでなく、それ相応の準備などが必要です。
リスクに備えてどの程度貯金しておくべきか、いくらくらいで売却できるのか、賃貸に回す場合にいくらくらいで貸せるのか、賃料からローンを引くとどの程度残るのか、残った金額からどういう費用が必要なのか、売却時にかかる費用、将来的な賃料相場、不動産価格の見通し、金利の見通し、自分の給与の見通し、結婚や子供・親の介護などの見通し、などあらゆることを考えておく必要があります。
それらすべてを考え、多少の経済状況の変化ではビクともしないバランスシートを作り、物件をよく吟味してから買うことをお勧めします。
テレビを見ていると、「独身だけど買ったほうが得なので買いました」という人が大勢いるが、
この方たちは本当に深く考えているのだろうかと他人事ながら心配になります。
すぐに現金化できる資産はどのくらいあるのだろうか、
安定した仕事なんだろうか。
会社が倒産したりリストラされたりということは考慮しているのだろうか。
この記事を読んだ方は是非、そのあたりまで考えたうえで自宅の購入を検討してほしいと願います。
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